真の森田療法を追究する

森田療法とは、強迫観念/強迫行為、対人恐怖症、不安神経症、鬱病などの神経症を治療するための精神療法で、日本の故森田正馬博士が創始した治療方法です。近年、日本では広まってきましたが、必ずしもすべての精神科医師や臨床心理士が森田療法を正しく理解して実施しているとはいい難いと思われるので、実際、森田療法によって、対人恐怖症と強迫観念を乗り越えた自分が、専門家の誤りを指摘し、正しい森田療法を広めるために、このブログを立ち上げました。

2016年09月

想念へのとらわれとは?


自分が最初に読んだ森田療法の図書は、「神経質の本態と療法」(森田正馬著)でした。23歳の時。

この本を読んで驚いたのは、自分の不快な感覚がそこに明確に書かれていたことです。

「神経質者は、不快な感情にとらわれ、それに執着する。そして、そのことを気にするのでますますその感覚が鋭くなりまたその感覚に執着する。気にすることと感覚が強くなることが相互に影響しあう。これを精神交互作用と呼ぶ。精神交互作用により、とらわれから脱出できなくなる」というような内容だったと思います。今、手元のその本がないので、文章はそのままではありませんが。

この「とらわれ」という症状が明解に記載、説明されていたのに驚いたのでした。
これほどまでに、自分の精神の働きを明解に説明していることに驚き、感動しました。

さて、この「とらわれ」という症状について、その後ますますひどくなったときの精神状態についていま自分は、さらに的確な表現をすることができると思います。いかに述べる、症状は、おそらく同じ感覚を体験した、あるいはしているかたがおられるのではないでしょうか?

それは、以下のようなもので、仮にこのような症状を「蓄積された忘却想念への執着」、あるいは単に「忘却想念執着症状」とでもいおうかと思います。


1.ある想念A1が心に浮かぶ。
2.その想念A1をきっかけとして、似たような想念A2、A3、・・・が続いて浮かぶ。
3.想念の系列A1、A2、A3・・・への関心が消滅しないうちに、別の新しい想念Bが浮かぶ。
4.想念Bへの関心が高まり、Bを思考したくなる。
5.Bへの関心が高まり、想念A1の内容を忘却する。
6.Bがこころを支配する。
7.Aを想起したくなり、思いだそうとするが思い出せない。
8.Bの次の想念Cが浮かぶ。
9.Bの内容を忘却する。
10.AとBを思い出したいが、思い出せない。
11.Cが心を支配する。

このように次々と想念が連鎖していき、過去の想念を思い出したくても、思い出せないという地獄のような苦しみを味わう。


このような症状です。これは、雑念恐怖と呼ぶのでしょう。強迫観念です。
すべての神経質者の「雑念恐怖」がこれとまったく同じかどうかはわかりませんが、おそれくかなり多くの神経質者はこのような苦悶を体験しているのではないでしょうか?

あ、自分と同じだ。と思われたかた、おそらくいらっしゃると思います。

この症状と同じ多くのかたがいるとすれば、神経症状の私の理解は、体験をもとにした正しいものだという証明だと思います。

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専門家の誤りを指摘するとは。大それたこと??


まさとしです。神経症とはなにか、についてはあとで説明したいと思いますが、だいだい意味は周知のことだろうと思います。

冒頭で申しました。精神医療の専門家は、必ずしも森田療法を正しく理解していない、と。
そして、自分がその専門家の誤りを指摘すると。

専門家の言葉だから正しかろうという見方は、精神医療については特に用心しなくてはいけません。
精神科医は神経症を経験したのだろうか? たぶん、ほとんどの精神科医は神経症の体験はないのではないかと思います。彼らは、ほとんど学問を学ぶという方法でしか、神経症や精神病を理解していません。

とすれば、神経症の病態をもっとも知り尽くしているのは、患者自身です。
したがって、病態については、患者のほうが精神科医より詳しいと思います。

それゆえ、理想的な神経症の治療者とは、神経症を乗り越えた医者ないしは臨床心理士です。

森田正馬が神経症の本態を知り尽くし、その有効な治療法を編み出したのは、森田自身が神経症を経験していたからです。森田正馬没後、そのような治療者は、啓心寮の治療者である、水谷啓二氏、鈴木診療所の医師、鈴木知準博士(亡くなった順にあげています)、の3人ぐらいでしょうか。
私は、鈴木知準さんに治してもらいました。水谷啓二、鈴木知準博士も森田正馬博士のところで治療を受けました。少なくともこの3人は、正しい森田療法を実践したかたたちです。

神経症の病態は、神経症をかかった人でなければわからない。とすれば、その治療については神経症にかかったことのない治療専門家よりも、自分のような経験者のほうが神経症治療について正しい着眼点をもっていると思っています。
専門家の誤りを指摘することは、大それたことではないと思います。

森田正馬博士
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水谷啓二氏

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鈴木知準博士の著書

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(注)鈴木先生の画像はありませんでした。

 
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このブログを立ち上げた理由

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