前回の投稿では、現代の森田療法は切れがなくなったことを指摘しました。

例として、森田療法の臨床心理士K氏が、代理確認をしている家族に、代理確認は段階的に止めるようにして現実に直面させるよう言っています。
(注:代理確認とは、自動車事故を起こしたかもしれないことを恐れる強迫行為の患者が自分で確認を行わず、家族に事故が起きたかどうかを確認してもらうこと。)

もし、この患者と家族が、森田正馬先生のところに治療を求めてきたとしたら森田先生は何といっただろう。

そんな仮想シーンを考えてみました。

以下は、私が仮想した、森田先生の指導内容です。

家族(患者):代理で家族が、確認行為をしていてたいへんです。なんとかこの病気を治していただけないでしょうか?

森田: 確認行為を家族にさせているのですか? そんな意志薄弱な人は、治療できませんので帰ってください。その意志薄弱を直してからきてください。ご家族のかたは、そのような代理確認は今すぐ止めなさい。 

まあ、こんなことを言って、神経質患者の人格矯正をするための指導的言葉を言ったのではないかと思います。

神経者は、負けず嫌いなので、きっと「甘える」ことを反省をして前向きな姿勢にかわるだろうということを見越し患者の心機一転を促す意味でこのようなことを言ったのではないでしょうか?

森田的指導とは、まさにそんなところにあるように思えます。

このようなことを言うには、もちろん患者が神経質者であることを見抜いている前提は必要です。

故水谷啓二氏が、森田正馬に入院を求めたときには、「東大受験に合格したら入院させてあげる」と言い、水谷氏は、見事東大に合格してから入院したそうです。

森田先生の指導方法は、まさに神経質の特長を生かして、人間として教育するやりかただったのです。

現代の大病院での森田療法では、このような人間教育的要素はおそらくないと思います。

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