真の森田療法を追究する

森田療法とは、強迫観念/強迫行為、対人恐怖症、不安神経症、鬱病などの神経症を治療するための精神療法で、日本の故森田正馬博士が創始した治療方法です。近年、日本では広まってきましたが、必ずしもすべての精神科医師や臨床心理士が森田療法を正しく理解して実施しているとはいい難いと思われるので、実際、森田療法によって、対人恐怖症と強迫観念を乗り越えた自分が、専門家の誤りを指摘し、正しい森田療法を広めるために、このブログを立ち上げました。

丸善には、森田療法の本を置いていない?


今日は、用事があって御茶ノ水に行きました。ついでに、本屋に行ってみました。
森田療法の本がどのくらいおいてあるのかをみてみました。
お茶の水駅近くの丸善と、神保町の三省堂に行き調べてみたら、面白い事実がわかりました。

丸善で、医学、家庭医学、心理学の各コーナーを観ましたが、森田療法の本は一切おいてありません。
あるのは、認知行動療法の本だけでした。なぜだろう? と思いました。

そして、今度は、神保町の三省堂で調べたら、写真のように森田療法の本が棚一段全部においてありました。もちろん認知行動療法もありました。

丸善と三省堂のこの違い、いったいなんでしょうか?

ネットでみればわかるとおり、森田療法は日本ではかなり認知されてきて治療実績もある精神療法なのに、なぜ丸善では森田療法の図書が売られていないのか?三省堂ではたくさんおいてあるのに。

本屋というところ、思想の自由を守る役目があると思います。
丸善は、思想・主張の内容によって、販売する本をコントロールしているのでしょうか?

なにか、疑念を抱いてしまいましたね。三省堂のほうがいい本屋さんのように思えてきました。

森田療法の何がいけない?行けないとすれば、禅と関係があるところだろうか?
しかし、禅や仏教の本は丸善でもおいてありますがね。

認知行動療法と森田療法の類似性は指摘されています。
認知行動療法の暴露反応妨害法は、森田療法の「恐怖突入」とほぼ同じです。
森田療法は、1919年に創始され(ウィキペディアによる)、認知行動療法は1950~1960年代の認知療法に起源をもつ(ウィキペディア)というので、明らかに、森田のほうが数十年早くできています。

日本、世界の学会では、強迫神経症の治療には認知行動療法が有効との認識が一般的のように思えます。しかし、認知行動療法より数十年早く、類似の精神療法が森田正馬によって開発されていたということを学者さんたちは、認識すべきではないでしょうか?

日本の学者さんたちは、もっと強く森田の先取権を主張していいのではないでしょうか?

森田療法と認知行動療法の比較についてはいつか議論してみたいと思います。

 丸善の本棚
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三省堂の本棚
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森田療法とはなんなのか?


昨日、強迫観念など神経症の苦しみは、心に感じた不快な感情を意思の力で除去しようと意思の「はからい」によって、その感情をコントロールしようとした結果、その感情に注意が向き、そしてますます感情が強くなり、精神交互作用により感情への執着と感情の強化がされてしまい、「とらわれ」を起こすという悪循環の仕組みから生じることを説明しました。

これは、森田正馬による「とらわれ」の仕組みの解明です。

それで、この「とらわれ」から解放されるためには、「あるがまま」に苦しい感情を耐えればいいということを言いました。

しかし、このようなあるがままになればいいと言う知識も知っても、「あるがまま」にはなれず苦しい感情を消滅させることはできないとも、言いました。

それは、あるがままになりなさい、ということは「説得」だからです。

説得療法は、神経症の治療としては無力です。

では、どうしたらいいのか? 森田療法とはなんなのか?

それは、最近、青空文庫で発行された、森田正馬先生の著書「神經質に對する余の特殊療法」に詳しく書かれています。


神經質に對する余の特殊療法


それによれば、森田療法とは、

 第一期、絶對臥蓐。
 第二期、徐々に輕き作業。
 第三期、稍重き身體的精神的勞作。
 第四期、不規則生活による訓練。
 
を行う、絶對臥蓐~作業療法です。第一期~第三期は、外界と隔離された遮断の環境で行われます。
各期は、一週間程度です。

それで、要するに、「あるがまま」の態度を体験体得させるということに要点があります。

----- 引用始 ------
此の治療期間は長くとも一期間一週日で、四週間を以て終り、或は三日宛とすれば十二日間で此療法を終るのである。で、其三期間は全く社會と絶つて、家族との面會をも許さない隔離療法であつて、其の根本的の目的は、患者をして精神の自然發動、及び其の成行きを實驗體得せしめて、自己に對する從來の誤想臆斷を破壞し、總て物に拘泥するといふ事を廢し、大きくいへば佛教の所謂無碍礙といふ心的状態に導き、身心の自然機能を發揮させるのである。即ち身心の自然療法である。
----- 引用終 -------

と書かれています。

つまり、森田療法は、森田理論を教えて治すのではなく、精神の自然発動及びその成行を実験体得させる体験療法なのです。

この最も重要な、体験体得ということをさせないで、森田理論の説明に終始するのは、単に説得療法に過ぎません。

現在、かなり多くの森田療法と称する医療従事者また勉強家の患者が、「あるがまま」を単に知識で学んで治そうとしていることは、嘆かわしいことだと言わざるを得ません。

東京慈恵会医科大学の森田療法センターでは、「入院療法が基本です」と言っていますが、外来・森田療法(森田療法的カウンセリング)と称して、外来もやっています。

しかし、森田先生が勤務していた同大学病院に、あえて言わせていただけるなら、外来森田療法というものは、ありえません。森田先生は、絶對臥蓐から始まる四期にわたる入院療法を森田の特殊療法と呼んでいたのですから。

東京慈恵会医科大学の森田療法センター

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まあ、括弧内で(森田療法的カウンセリング)と記載してあるのは、このような事情は同大学病院も理解していると思われますが。

でも、外来森田療法という言葉は間違っています。

これは、はっきりと言えます。


東京慈恵会医科大学の森田療法センターは、一番信頼置けそうな森田療法を実施する病院のようですが、そこの治療スタッフすべての人が、森田療法の本質を理解しているのかといえば、そうではないようです。

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説得で強迫行為などの神経症は治らない


昨日は、忘却想念執着症状、について説明しました。
もう一度、その症状の説明を掲載します。

1.ある想念A1が心に浮かぶ。
2.その想念A1をきっかけとして、似たような想念A2、A3、・・・が続いて浮かぶ。
3.想念の系列A1、A2、A3・・・への関心が消滅しないうちに、別の新しい想念Bが浮かぶ。
4.想念Bへの関心が高まり、Bを思考したくなる。
5.Bへの関心が高まり、想念A1の内容を忘却する。
6.Bがこころを支配する。
7.Aを想起したくなり、思いだそうとするが思い出せない。
8.Bの次の想念Cが浮かぶ。
9.Bの内容を忘却する。
10.AとBを思い出したいが、思い出せない。
11.Cが心を支配する。

このように次々と想念が連鎖していき、過去の想念を思い出したくても、思い出せないという地獄のような苦しみを味わう。

忘却想念執着症状では、過去の想念を思い出したいという気持ち、そして思いだせないという不快な感情が起きています。この不快な感情を除去しようとして、その過去の想念を思い出そうとする意思による「はからい」があります。そのはからいのために、堂々巡りの雑念恐怖の苦しみで苦悶するのです。

ここに神経質者の、心理の間違いがあります。感情を意思でコントロールできるという間違いです。
感情は、意思でコントロールできない。逆に、感情を「あるがまま」に放置しておけば、やがてその感情は消滅していくと教えるのが、森田の考え方です。森田療法では、「あるがまま」という態度をとることを重視します。
あるがまま、==>> 自然に服従するということです。

忘却想念執着症状では、「あるがまま」になり、想念を思い出そうとする「はからい」をしないことです。

さて、ここで問題です。この森田の考え方を知って、「あるがまま」になり、不快な感情を消滅させることができるか、ということです。

できません。

なぜか?

それは、そのようなやり方は、「あるがまま」になりなさい、という、いわば説得だからです。

「あるがまま」になりなさい、と神経質者に言うことは、そのような強迫行為は不合理だから止めなさいと言うのと、たいして変わりはありません。

森田正馬は言っています。説得療法では、強迫観念/行為、対人恐怖などの神経症は直らない、と。

説得は無力です。

しかし、現在も過去も、森田療法と称する一部の医師ないしは素人が、森田理論を患者に説明し、「あるがまま」になりなさい、と説得する方法で治療しようとしています。

それは、間違いです。森田療法は、説得療法ではありません。
説得療法で、強迫行為などの神経症は治りません。

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