真の森田療法を追究する

森田療法とは、強迫観念/強迫行為、対人恐怖症、不安神経症、鬱病などの神経症を治療するための精神療法で、日本の故森田正馬博士が創始した治療方法です。近年、日本では広まってきましたが、必ずしもすべての精神科医師や臨床心理士が森田療法を正しく理解して実施しているとはいい難いと思われるので、実際、森田療法によって、対人恐怖症と強迫観念を乗り越えた自分が、専門家の誤りを指摘し、正しい森田療法を広めるために、このブログを立ち上げました。

強迫神経症で、どう勉強すればいいの?


前回、強迫神経症を自力で治すには、苦しさを持ちながらも、日々の生活、仕事・勉強を続けることを説明しました。

しかし、強迫観念など、雑念恐怖があって、どう勉強できるのか?

そういう問題があります。

そういう場合の勉強法をご説明しようと思います。

勉強は頭を使い、神経を使ってするもの。動きを中心とした作業療法ではできない・・

と思うかもしれませんが、そうではありません。

やはり、動きから始めればいいのです。

たとえば、教科書を朗読するとかです。

あるいは、教科書や参考書を、丸写しするなどをすればいいのです。

あるいは、問題の模範解答を書き写すなどをしてください。

しかし、そればっかりでは、自分で考えることができませんが、心配はいりません。

そのような単純な作業をしていると、そのうち頭が働き、神経は動いてきます。

そして次第に、普通の人がやるのと同じように、思考し、勉強ができてきます。

まずは、できる簡単な作業から始めていく。これはたいへんいいやりかたです。

別に、神経症のひとでなくても、超難しい勉強を普通のひとがやる場合も、この手法は通用します。

読書百遍意自ずから通ず、

という諺がありますが、あながち嘘ではありません。

読書百遍⇒頭が働く⇒考える⇒わかる


というプロセスができるようになります。

試してみてください。
 
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どうしたら治せるのか? 強迫神経症


前回は、認知行動療法の暴露反応妨害法と森田療法の関係について述べました。
速い話が、森田が何十年も前に発見した精神の働きの仕組みを、認知行動療法は暴露反応妨害法という形に
形式を変えたものに過ぎないということでした。


さて、そこで、自分は海外での森田療法の展開についてどうなのかを知りたく若干ネットでしらべたところ、
アメリカのMorita Therapy Foundation というサイトを見つけました。どうやら、森田の価値はアメリカでも認められているらしい。ということで、このサイトを読んでみようかと思いましたが、ハタと考えました。

果たして自分の読者はそれを望んでいるのだろうか?

たぶん、読者には強迫神経症に苦しんでいるかたが多いのではないか?
すると、そういう話題より、どうしたら治せるのか?
という話題のほうがいいのではないかと思いました。

ということで、今回は、「どうしたら治せるのか?強迫神経症」という題で書いていこうと思います。

さて、

強迫神経症は、どうしたら治せるのか?

簡単に言えば、入院森田療法を受ければいい、となってしまいますが、それでは簡単すぎます。
実際、私の適切だと思う回答は、そうなのですが、そこには、

ちゃんとした入院森田療法を行っている病院はあるのか?
入院費用は用意できるのか?
仕事は休めるのか、学校は休めるのか?

といった、身に迫る問題があります。そこで、ここでは、入院しないで、自力で治す方法について書いていこうと考えました。

しかし、自力で治せる病態の範囲は限界があると思います。重症のものはやはり入院を検討していただいたほうがいいという前提で、以下参考にしてください。

そうはいっても、私には、外来森田療法と称する、間違った森田療法の治療者がやっている指導よりも、ずっと質のよい助言ができるという自信があります。実際強迫神経症を体験した者として、そう思っています。

さて、治すにはどうすればいいか?


まず、肝心なこと。

1.森田療法を正しく理解する。

です。そのためには、少々読みづらくても、森田正馬先生が書いた本を読むか、ないしは、鈴木知準先生が書いた本、水谷啓二氏が書いた本で、森田療法の説明を読んでください。

私としては、神経質の本態と療法、神経衰弱と強迫観念の根治法をお薦めします。
いずれも、森田先生の著書です。

次に。

2.森田的生活態度を実行すること。


これは、苦しい症状があっても、それをもちながら現実の生活を、仕事なり勉強なりを続けること。

重症な場合は、これができません。それがまったくできないなら、自分は入院が必要だと考えるべきと思います。

そして、現実の生活で大事なことは、身体の「動き」です。

これは鈴木知準先生がよく言っていました。「動き」の中に自由があると。

たとえば、朝、身支度をするとき、なるべく素早い動作で、動きます。
そのとき、どうしたら短い時間で効率的に終わらせることができるかに集中して動きます。

鈴木診療所では、風呂に入る時間が15分以内ときまっており、その時間内で、少ないお湯と水を使い体を洗い終えます。

そのような動作に工夫することに集中すれば、神経症の不快な感情から離れることができていくようになります。

また、嫌なこと、嫌いなことを進んでするようにします。

たとえば、便所掃除。雑巾を持ち、素手で洗います。
鈴木先生が言っていました。「○○医師がよくいうのだが、嫌なことをやらせると、神経症はどうしてよくなるんだろうと言うが、私もそう思う」と。

確かにそうなのです。嫌なことをすると、あとでスッキリした頭になります。
やってみてください。

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また、これは鈴木診療所ではありませんでしたが、本の朗読もいいのではないかと思います。
森田先生の本には書いてあります。

この場合、本はあまり考え込まないで読めるようなものがいいかと思います。
物語的なもの、歴史の本などがいいような気がします。
数学や科学の難しい理屈の説明した本はさけたほうがいいように思います。
読むときはしっかりした大きい声で読んでください。

あと、これは自分がだけによいことかもしれませんが、カラオケもいいように感じます。
この場合、漠然と歌うのではなく、うまく歌うにはどうしたらいいかの工夫をしながら
歌う方がいいでしょう。気晴らし的に歌うのは逆効果だと思います。
森田先生は、歌などの気晴らしを禁止していますので。

写経をすることもいいようです。この場合、字をきれいにかくことに集中します。

ということで、なるべく、いやなことをする、速い動きをする、発声を伴う読書や歌を歌う。できるだけ工夫のやりかたに気をくばってやってください。

すべて、動作です。速い動作を工夫しながらやっていきます。
(注)カラオケは適切なテンポというものがあるので、速ければいいというものではありません。 

そして、

3.規則正しい生活を心がける。


です。これは大事です。

森田療法は、作業療法です。治療理論を理解するのではありません。

暴露反応妨害法のように意図的に、恐怖体験のきっかけを用意しなくても生活の中で自然と恐怖体験がきます。そのときにも、いまやろうとしている作業を止めることなく続けるのです。

このような作業を継続してやっていれば、しだいに、「あるがまま」の態度を体得できるようになるかと思います。


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暴露反応妨害法は、森田理論の感情の法則・精神交互作用説・体験療法そのものである


昨日は、認知行動療法の暴露反応妨害法が、森田正馬が言った「恐怖突入」と本質的に同じであることを言いました。そして、この森田の「恐怖突入」は、今から約一世紀も前に発見した方法です。それに対して、認知行動療法は1950年~60年代の論理療法や認知療法に起源をもつので、森田は数十年早く発見しています。
およそ学問上の発見に先取権が主張されるのが普通ですから、暴露反応妨害法は、森田正馬が発見したものと言ってよいと思います。

私は、まだ認知行動療法を十分勉強していないのですが、この暴露反応妨害法は次の2つの原理によっているものと考えられます。

原理1:人の不安な感情は、放っておけば時間が経つにつれて消失していく。

原理2:感情に注意を向ければ、感情はますます鋭敏になる。
 

このことを、「暴露」によって、体験的に会得するのが、暴露反応妨害法の要点です。

上の2つの原理は、森田正馬が、感情の法則と、精神交互作用説によって、見事に説明しています。

神経質の本態と療法(森田正馬著)の122ページから引用すると、

「第一、感情はこれをそのままに放任し、もしくは自然発動のままに従えば、その経過は山形の曲線をなし、一昇り、一降りして、ついには消失するものである。」

と原理1が明確に述べられています。


また、30ページに、

「神経質について私がいう精神交互作用とは、われわれがある感覚に対して注意を集中すれば、その感覚は鋭敏になり、そうして鋭敏になった感覚はさらにそこに注意を固着させ、この感覚と注意が相まって交互に作用することによりその感覚をますます強大にする、そういう精神過程を名付けたものである。」

とあります。

この精神交互作用を起こさせないために、強迫行為をがまんして止めることが重要になるわけです。

森田が発見した「感情の法則」と「精神交互作用」から、自然、演繹的に暴露反応妨害法が導かれることは容易にわかるでしょう。さらに付言するならば、神経症の治療が、説得ではなく、体得によってなされるべきことが森田により主張されていることに注意すべきです。つまり、体得するために、訓練として暴露反応妨害法を行うのです。


神経質の本態と療法の126ページから引用します。

「私の神経質療法は、ヒポコンドリー性基調感情に対して陶冶、鍛錬療法を施し、・・・
・・・そうしてこれは、常に患者をその実証、体得により、いわゆる自然に服従することを会得させようとするものであって、根本的な自然療法である。」

鍛錬療法、
実証、体得、会得
自然に服従

と、暴露反応妨害法の要点が、記述されています。

暴露反応妨害法を、西欧精神医学の恩恵とありがたく頂戴する必要はなく、すでに、数十年以上早く森田が見つけていたのです。

日本の臨床精神医学者は、この偉大な先駆的森田の発見の先取権を、西欧精神医学者に分からせる責任があるのではないでしょうか?

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